この疑問に答えているものに、
1935年に出版された夢野久作の小説『ドグラ・マグラ』がある。
この小説は、日本の推理小説の中で三大奇書に数えられているもので、
作中で「ドグラ・マグラ」なる書物を見つけるという設定があるなど
なんとも奇妙なストーリーが展開して行く。
その中で「胎児の夢」について書かれた箇所がある。
とは言え、そこはフィクションである小説のこと、
事実の確認などは生物学者に委ねるとして、
彼の論拠のみを簡単に紹介すると、
「胎児は夢をみると解く。そして、見る夢は、およそ悪夢だという」
と言うのは、胎内で胎児が育つ10カ月のうちに
数十億年におよぶ生物の進化の歴史をたどることになる。
無生物から始まり人間に至るまでのすべての歴史を胎内で経験するという。
ほとんどの生物進化の歴史は、
弱肉強食の歴史を辿ったがゆえに「胎児の夢」は、悪夢だというもの。
夢と言えば、かのフロイトが夢について研究する端緒となった考え方を
表現した文章がある。
それは、「弟子が教えてくれた諺によると、
”ガチョウがどんな夢を見るか?”それは、”トウモロコシ!”と答えるという。
すなわち、夢は願望のあらわれだという事だと知ることが出来る」とある。
こういった事を出発点として、
生涯をかけ、精神分析の膨大な科学的洞察を施した。
今でも彼の学説には賛否様々に言われるが、
彼ほど膨大な理論の組み立てを行なった人物はいないという事だけは確か。
現今の研究で、睡眠時には必ず夢を見るという事は事実のようだ。
そして、3歳児が見る夢も、大人が見る夢も、複雑さのレベルは同じだという。
そこで悪夢や願望の夢を見るのは事実。
誰も「夢」の目的を、はっきりと言う事は出来ない。
だけども、そういった「夢」をみることによって、
人間が育てられているということだけは言えそうだ。
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