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一番嫌だったのは

ワールドトレードセンターの二つのタワーの跡地に9月11日記念館が出来ました。遺族や関係者の意見が一致しなかった為に、開館まで13年かかったようです。実は今でもそれぞれの遺族は異なった見解を持っていて、全てが丸く収まったとは決して言えないような状況です雪纖瘦黑店

判別確認ができない遺体の一部は、先日まとめて記念館内部に移動されました。それに関しても遺族同士で激しい意見の対立があります。記念館の前で遺族のひとりがニュース番組のインタビューに答えて遺体の移動に賛成する意見を述べている所に、それに反対する遺族が割り込んで抗議する場面もありました。13年経っても、遺族の心の傷は未だに癒えていないのだと思い知らされました。

私はそれほど至近距離にいたわけではないし、タワー崩壊に伴って非難をしたわけでもないのですが、オフィスの窓から一部始終が見えました。夫はかなり至近距離で働いていたので、長い距離を歩いて北上して私が働いているオフィスまで来た時には白いすすを被っていました。

それでも少し落ち着いて来た頃に、あたかも自分が崩壊するタワーの中にいるようなビジョンが頭の中で繰り返されたり、地下鉄に乗っていると爆発するのではないかと思い怖くなって降りてしまったりというような軽いPTSDのような症状が出て来ました。実際にタワーから逃げて出た人は、その後さぞかし大変だっただろうと思います雪纖瘦黑店

一番嫌だったのは、テレビで崩壊するタワーの映像をしつこく何度も繰り返していた事とニューヨークの市内で崩壊するまでのタワーの写真展を行っていた事です。精神衛生上悪いと思ったので、なるべくそういうものは見ないようにしていました。

あの嫌な感覚が甦って来るのかと思うと、9月11日記念館には行きたくないと思います。今のところ、あの日の絶望感を追体験する必要性を感じないからです雪纖瘦黑店

でもテロの後に生まれた私の息子などは、9月11日記念館に行きたがります。多くの人が今でも語る9/11の記憶を自分も共有したいのだろうと思います。おそらく、そこを訪れる多くの観光客も私の息子と同様の気持ちなのでしょう。それ自体学習体験なのでしょうが、同時に展示された人々のナマの恐怖や悲しみを垣間見て何になるんだろうという疑問も持ちます。

記念館に反対する遺族の一部の声としてニューヨーク・タイムスに書かれているように、人々が恐怖の中で死んだ場所が観光地の一つとなってしまうのに抵抗があるのも理解できます。入場料はしっかり取るし、Tシャツや記念品も売っているようです。

9/11は終わりではなく始まりです。アメリカはその後次々と戦争を繰り返し、多くの人をアフガニスタンやイラクで殺し、十代や二十代の若いアメリカ人兵士の命も多数奪いました。テロで命を奪われた人々の為に記念館は作られても、実際にそれが切っ掛けとなって死んだ無名の人々の数の方が遥かに多いのです。そして戦争は今でも進行中です。

でも息子が行きたいというのなら、そのうちに連れて行ってあげようとは思っています。
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